桶狭間合戦の４年前、1556年（弘治２）織田信長は弟信行（信勝）側の 柴田勝家、林美作などと戦った。

信行側は柴田・林の兵だけで１７００人に対し、信長側は７００人という圧倒的に不利な戦況の中、信長は自ら先頭に立ち敵将林美作に突撃してこれを討ち果たした。信長はこの稲生ヶ原 の合戦に勝利することで、尾張統一に向けて大きく踏み出した。また、信長の旗本として従軍した１９歳の前田利家も右眼の下に矢を射られ負傷したが、矢を抜きもせず相手の宮井恒忠を槍で倒し、首を取った。この合戦の手柄により百貫を加増された。
稲生ヶ原合戦の戦死者の霊は庚申塚に祭られている。庚申塚から北に２００メートルほどの地点にある白山社は、稲生ヶ原合戦 のときに信長方の佐久間大学がたてこもった城址である と伝えられている。